~ いつまでも若く美しく健康に ~

ミトコンドリアとは?

Zamami Island,OKINAWA,1990s,photograghy by KOJI YOSHIURA

水中では太陽の光が優しく優しくゆらめきながら降り注いでくれる。とってもあったかい気持ちになる。

 

 

今回は「ミトコンドリアの話です。

よく間違われるのは、

うん、知ってる知ってる。
ミトコンドリアってあのゾウリのような虫みたいなやつでしょ?
ユーグレナだったっけ?

それは、ミドリムシです。

ミトコンドリア人間の細胞の中にある小さな小さな器官です。
大きさは直径0.001mm以下で、ものすごく細い糸状もしくは粒状の器官。
下手な手書きの絵で見せますと、こんな感じ↓
だいたいですが。。

このへたっぴ手書きイラストの線のようなごちゃごちゃしたものが、常に動いていて、お互いに交じり合ったり、分裂したりを繰り返している不思議な器官がミトコンドリアなのです!
2012年に山中教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞されたときにNewton12月号でミトコンドリア特集が組まれたり、テレビでも最近目にするようになったミトコンドリアですが、今でも世界中で研究は続けられている、謎多き、奥深い働きを担っている重要な器官。

ほんとは、その雑誌にのってるミトコンドリアのイラストがとても素晴らしいので、そのイラストをお見せしたいんですが、著作権の関係で表紙だけになりました(笑)↓

 

また、ミトコンドリアの起源をさかのぼると、酸素呼吸でエネルギーを作れない細菌Aが、酸素呼吸で大きなエネルギーを作れる細菌Bを自分の体内に取り込んだことにより、進化のスピードが飛躍的に早まったと言われていますが、細菌Aに取り込まれたその細菌Bこそがミトコンドリアの祖先だと言われています。

進化のスピードを早めるカギとなった重要な器官が実はミトコンドリアだという進化の歴史こそが、人間の身体にとって一番カギとなるところを突き詰めていくと最終的にはミトコンドリアに行き着くというのも納得のいく話だと思います。

それはそうと、みなさんのミトコンドリアのイメージとはちょっと違いませんでしたか?
僕はソラマメみたいな形がミトコンドリアだと思っていたので、実際には糸状のものが無数にあるのがミトコンドリアだと知ったときは、すごくびっくりしました。よく見るイラストは下記のような感じだと思います。

そして、そのミトコンドリアが実は、人間の身体の中の重要器官なのです。

なんと、人間の体重の1割がミトコンドリア

つまり、体重60㎏の人にはミトコンドリアが6㎏もある!

肝臓でも1㎏~1.5㎏しかないのに。

ミトコンドリアは身体中のあらゆる細胞の中にあるから

人間は身体中ミトコンドリアだらけなんです

心臓、肝臓、腎臓、胃、腸、脳、肌、筋肉など・・・

 

そのミトコンドリアが何をしているかというと、代表的な仕事は人間が生きるのに必要なエネルギーのなんと95%を作り出している!(エネルギーはATPと言ったりします)

これを聞いただけでもどれだけ大事な器官かはすぐわかりますよね。

その人間にとって大事なエネルギーを作り出す時に起こることを図で書きますと
下のような感じになります↓

ミトコンドリアがエネルギーを作り出す時には、「活性酸素」というものがどうしても出てしまいます。

その「活性酸素」は少量であれば、実は身体にとって大切な働きをするものでもあるんですが、これが過剰に増えすぎると身体によくない影響を及ぼしてしまうんです。

でも人間の身体は本当によくできていて、その活性酸素が増えすぎないようにミトコンドリアは同時に、「SOD酵素」というものを作り出し、その「SOD酵素」が過剰な活性酸素を除去してくれます。

ミトコンドリアが元気なうちは、このようにして健全さを保っているのですが、加齢などによりSOD酵素を作り出す力が弱まってくると、過剰な活性酸素を除去しきれなくなって、その活性酸素がミトコンドリアを傷つけてしまうようになるのです。
そうやって傷ついた不良ミトコンドリアはますますSOD酵素を作り出す力も弱まってしまい、過剰な活性酸素はミトコンドリアの外に漏れだして、細胞の中に流出してしまうという悪循環が起こってくる。

 

そうすると、身体の中の脂質(主に細胞膜にあるんですが)と結びついて「過酸化脂質」というやっかいなものを作り出してしまう。この「過酸化脂質」が病気や老化の原因だと言われています

 

 

このように、過剰な活性酸素を除去するSOD酵素の減少が病気や病気や老化の原因になっているということは分かってきたので、

「じゃあ、SOD酵素を外から補充してあげたらいいじゃないか!」

と考えると思うんですが、残念ながらそれは不可能なんです。。

なぜかというと、「酵素」と名の付くものはそもそもが「タンパク質」なので、どんな酵素であれ、口から入れると胃と小腸でアミノ酸にまで分解されてしまうからです。

↑ここ、大事です!!

注射で直接血管から体内に入れるのであれば可能ですが、現実にはSOD酵素の注射薬はないので、やっぱり不可能です。

 

じゃあ、「アンチエイジングの究極はミトコンドリアを元気な状態にしてあげること」と言ってるけど、一体どうやってミトコンドリアを元気にすればいいの??

 

という話になってくるわけなんです。。。

 

ところで、

 

そんなミトコンドリアについての世界最新の情報や研究成果があつまる学会があります。

「Targeting Mitochondria Congress」(世界ミトコンドリア学会)です。

https://www.targeting-mitochondria.com/

 

この学会には世界中からそうそうたる大学や研究機関、会社などが集まりますが、今回2020年10月28日~10月30日に開かれる学会に参加される有名どころでは、ハーバード大学、アメリカ最大級No.1ホスピタルのメイヨークリニックや、日本からはキリンホールディングス、名古屋大学や筑波大学などの名前があります。

また、僕が尊敬する薬剤師、本間克明先生株式会社北海道医薬総合研究所(Hokkaido Institute for Pharmacy Benefit Co.,ltd)も参加されます。↓

https://www.iyakusoken.jp/

 

このように世界中の研究者や開発者たちの絶え間ない努力のおかげで、いま現在も新しい発見が続々となされ、人類に「健康長寿」という恩恵を与えようとしてくれています。

今回の最新情報は、

血液の中にも膨大な数のミトコンドリアがあり、細胞外においても重要な働きをしているという事実が、これほどまで科学の発達している現代において、ようやく発見されたことです。
モンペリエがん研究所のProf. Alain Thierryが今回の学会で発表されます。↓

https://www.targeting-mitochondria.com/mitochondria-in-press-and-media/845-a-new-blood-component-revealed

これからもますますミトコンドリアの重要な働きが解明されていくことと思います。

とても楽しみです!